脱毛の基礎知識

妊娠中の身体の変化

毛が濃くなる

妊娠してからお腹の毛が濃くなったという話を聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか？
妊娠中はホルモンバランスの変化がおこり、特にお腹を守る為に毛が濃くなる方がいらっしゃいます。
その他にも産毛だった背中・鼻下・胸なども、妊娠してから毛が濃くなったと感じる方も多くいらっしゃいます。
これは一時的なものと言われていますが、出産後は早く無駄毛は無くしたい所ですよね。

代謝が良くなる

妊娠すると赤ちゃんに栄養素を送るため、血液の循環量が約1.5倍に増えると言われています。
循環量が増えるため、新陳代謝が高まります。新陳代謝が高まるといっても、自分自身の肌がきれいになったり、傷の治りが早くなったりするわけではありません。
赤ちゃんにお母さんの体中の水分やビタミン・ミネラルといった栄養素が送られてしまいますので、妊娠中のお母さんの肌は乾燥しやすく、肌トラブルも起きやすくなります。
また、肌トラブルが起こった後の治りにも時間がかかってしまいます。

シミ・そばかすが濃くなる

妊娠中に活発に分泌されるエストロゲン（卵胞ホルモン）やプロゲステロン（黄体ホルモン）はメラニン色素に働きかけるので、シミ・そばかすが濃くなります。
また、乳輪の色味が濃くなり、脇やデリケートゾーンなどの黒ずみが濃くなることもあります。

お腹が大きくなる

これは言わずとも皆さんご存じですよね。
お腹がどんどん大きくなることで、長時間同じ体制でいることが辛くなります。
脱毛は１時間仰向け、１時間うつ伏せと長時間同じ体制でいなければならないことも多く、身体が変化すると、とても辛く感じるようになってしまいます。

妊娠中に脱毛することはできるの？

妊娠中に脱毛を行っても胎児に影響はないと言われていますが、当院では下記のような理由から、妊娠中・授乳中の脱毛はお断りしております。

妊婦が脱毛した正確な検証はされていない

医療レーザーは機械の種類によって波長が決まっており、その波長の深さまでしかレーザーは届かないので(当院のレーザーは805nm)、お腹の中にいる赤ちゃんまでレーザーが届く事はありません。
しかし、倫理的観点から妊婦に脱毛し結果を検証すると言った事は出来ません。データーが取られていない為100％赤ちゃんに影響が無いとも言い切れないのです。

濃くなったメラニン色素にレーザーが反応する

妊娠するとエストロゲンやプロゲステロンの分泌が活発化し、皮膚のメラニン色素が濃くなってしまいます。
その為、シミ・そばかすが濃くなりますし、脇や乳輪・デリケートゾーンの色素が濃くなる可能性があります。
脱毛レーザーもメラニン色素に反応しますので、濃くなったシミ・そばかすに反応しさらに濃くしてしまう可能性があります。
脇・乳輪・デリケートゾーンといった元々色素沈着のある部分は、皮膚にもレーザーが反応するため火傷のリスクが元々他の皮膚よりも高いですが、この部分の色味がさらに濃くなってしまうと、火傷になってしまうリスクがより一層高まってしまいます。

傷が出来た場合治りにくい

妊娠すると、お母さんの体中の水分や様々な栄養素は赤ちゃんに送られますので、妊娠中新陳代謝は高まっても、お母さんの皮膚は乾燥傾向になり、栄養素が不足しがちになります。
そのため普段起きないような肌トラブルも起きやすく、さらには肌トラブルが起きた場合治りにくくなってしまいます。
医療レーザーは高出力で照射が可能なため火傷のリスクがありますし、また毛嚢炎のリスクも伴います。
栄養が不足しがちな妊娠した状態で施術をすると、火傷が起きた場合傷の治りが遅くなりますし、普段肌トラブルが少ない体質でも毛嚢炎のリスクが高まり、出来た場合の治りも遅くなってしまいます。

ホルモンの変化で毛が濃くなる

妊娠中はホルモンバランスが大きく変化します。
女性ホルモンが増えることによりメラニンが増え、皮膚の色味を濃くしたり、毛の色素も濃くしたりします。
特にお腹を守ろうとしてお腹周りの毛が濃くなったと感じる方は多いようです。
その他にも産毛だった背中、鼻の下、胸等も濃くなったと感じる方も多いようですね。
妊娠が分かっても、出産に向けてデリケートゾーンは清潔にしておきたい、マタニティーフォトを撮りたいから写真に写る部分は綺麗にしておきたい等、いろいろ思われると思います。
しかし、脱毛レーザーを当ててもホルモンの影響で毛が増える可能性のある時期ですから、ホルモンバランスや毛周期がしっかり整った出産・授乳が終了したタイミングでご来院頂くとよろしいかと思います。

妊娠が分かったらどうすればいいの？

当院では妊娠した場合、コースの期限を延長できるようお手続きしていただく事が可能です。
妊娠が分かった時点でお電話・メール・LINE等でのご連絡をお願い致します。ご連絡頂くことでコース期限を一時ストップできますので、ご安心下さいませ。
ご出産後、授乳期間まで終了しましたらコースを再開していただく事が可能となりますので、ご予約のご連絡をお待ち申し上げております。
ご来院頂いた際、コース期限を終了してしまっていた場合、コース期間延長同意書を記載して頂きます。
コース期限内で再開できた場合、書類の記載は必要ございませんが、１年ほど通うことが出来ない期間が発生してしまい、最終回で期限が切れてしまう…なんて事になってしまう場合もあるかと思います。
その場合は期限が切れるタイミングで期限延長申請をして頂きまして、コースを継続することが可能ですのでご安心下さいませ。

妊娠していたのに、脱毛してしまっていた事に気が付いた場合もあるかと思います。
レーザーは波長の深さの範囲にしか影響していないため、胎児に影響することはないと言われております。
しかし、実証されている事ではないのでご不安もあることと思います。
当院で胎児の状態を確認することはできませんので、どうしてもご不安な場合はかかりつけの産科医に相談しておくとよいでしょう。

妊娠中の自己処理方法

妊娠中は女性ホルモンの分泌が活性化されますので、ホルモンの影響を受け以前よりも毛が濃くなったと感じる部位も出てくるかと思います。
綺麗でいたいと思う女性は多いので、濃くなった毛は気になりますよね。
妊娠期間を思い出に残そうとマタニティーフォトを撮影される方も多いので、撮影があると尚更毛の処理をしたくなる事と思います。
妊娠中の脱毛を承諾しているクリニックやサロンはほぼないと思いますので、自己処理で対応していくしかありません。
基本的に、妊娠中は肌が乾燥傾向に傾くことでバリア機能が低下し、栄養素が不足することで肌トラブルも起きやすくなっておりますので、自己処理はなるべく控えて頂いた方が良いです。
どうしても自己処理をされる場合は、肌を傷つけるリスクが一番少ない電動シェーバーで自己処理をして頂くと肌トラブルが少なくて済みます。
T字やI字の剃刀はお肌を傷つける可能性が高く、剃刀負けも起こりやすいのでお勧めしません。
また、ワックス脱毛や除毛クリームは肌への刺激のあるものですので、肌トラブルの元になってしまいます。
どうしても使用したい場合は必ず妊娠中に使用してもよい製品なのか、しっかり説明書をご確認下さい。
また、家庭用脱毛器もクリニックやサロンの機械と同様の扱いとなりますので、お控えください。
妊娠中自己処理をしなければならない時は、自己処理の前後での保湿も重要となります。
普段よりもお肌は乾燥しやすくなっておりますので、外側から十分に保湿することでバリア機能が低下せずお肌を守ることが出来ます。
自己処理をされる際にはぜひ保湿も処理することとセットで忘れずに行ってください。

よくある質問

Qコースの途中ですが、妊娠してしまいました。どうしたらいいですか？
A当院ではご妊娠が分かった場合、コース期限を一時ストップすることが出来ます。
ご妊娠が判明しましたら、当院までご連絡下さいませ。
妊娠期間があるために、期限内にコースを消化することが出来なかった場合も臨機応変にコース期限の延長を行っておりますので、ご安心下さい。

Q妊娠してコースを中断していましたが、いつから再開できますか？
Aご出産が終わり、授乳期間まで終了しましたら、次回のご予約を承っております。
授乳期間まで終了しましたら、ご予約くださいませ。

Q妊娠期間に脱毛していた事が分かりました。大丈夫でしょうか？
A脱毛レーザーはレーザーの波長の深さ部分の皮膚にのみ影響しているため、胎児まで影響することはないと言われておりますが、100％影響しないと分かっているものではございません。
当院で胎児の状況を診ることはでき兼ねてしまうため、ご心配でしたら、かかりつけの産科医へご相談頂くのがよろしいかと思います。

Q妊活を考えていますが、コースを契約することはできますか？
A妊活中の方でも、どの部位でもコースをご契約いただく事は可能です。
妊娠が分かった時点で当院へご連絡頂きましたら、コースの一時中断が出来ますので、ご安心下さいませ。

Q帝王切開での出産だったので、傷が出来てしまいました。脱毛できますか？
Aお傷の状態によって、傷を避けた方が良いか、傷の上まで照射できるのか変わってきますので、実際にお傷の状態を診させて頂いて判断させて頂きます。

Q妊娠中に脱毛した毛が濃くなってしまいました。また脱毛したら薄くなりますか？
A妊娠中は女性ホルモンの分泌が活性化しますので、脱毛で一旦薄くなった毛が濃くなる可能性がございます。
出産が終わるとホルモンバランスも元に戻りますので、産後1年ほどで毛も元に戻る可能性が高いと思われます。
早めに処理しておきたい方は、授乳期間が終了していればご予約を承ることができますので、脱毛レーザーで濃くなった毛を薄くすることも可能です。

まとめ

妊娠と脱毛にまつわるご不安を少しでも解消して頂けましたでしょうか？
初産であれば尚更いろいろ不安に感じてしまいますよね。些細なことでも不安や疑問がございましたら、いつでもご相談くださいね。
妊娠すると内診の機会も多く、デリケートゾーンの脱毛は特にやっておいたら良かったーと思う方が多いようですね。
職業柄、産科の医師や看護師にも知り合いがおりますが、やはり毛がないと内診がしやすく、産後の傷の状態が把握しやすく、処置もしやすいようです。
お腹を出したマタニティーフォトを考える方も多いと思いますし、妊娠すると脱毛は中断しなければならないので、早めにケアしておくのがおすすめです。